お姫様

今日は暑かった。17時過ぎに、歩いて2、3分の投票所に行っただけで、「暑い中を歩いた!」という疲労感をおぼえてしまった。
一日中、家の中でじっとしすぎていたせいかもしれない。



カズオ?イシグロの「忘れられた巨人」を読み終えた。
前から気になりながらも、「老夫婦が、別れた息子を探して旅にでるファンタジーであり、ある意味、夫婦のラブストーリーでもある」というような紹介文を目にすると、出しかけた手が止まってしまっていた本だったreenex cps價錢


が、読んでみればそれはただの息子探しの旅ではなく、夫婦愛だけの話でもなかった。民族や宗教の違いによる憎しみ合い、そして「記憶」が重要なテーマになっている。


「忘れられた巨人」というのが何を意味しているのかというのは、ラストに向けてだんだんと分かる。忘れていた(忘れさせられていた)ことを思い出して、これから世界は、老夫婦(アクセルとベアトリス)はどうなっていくんだろうかというところで話は終わるので、最後の最後にずしんと来る物語だったreenex cps價錢



さて、ここからは全くの余談だけど、(いや、最初から余談だけど?)


おじいさん(アクセル)が奥さん(ベアトリス)のことをを終始「お姫様」と呼びかけるのがちょいちょい気になってしまった。
日本語だったらいちいち言わないであろう呼びかけが頻繁に入るから、気になってしまうんだろうか。それとも老婆に似合わないから? (ちなみに、ベアトリスは夫を普通に名前で呼ぶ)



「確かにおまえは年をとらないな、お姫様」
「いや、違うと思うよ、お姫様」
「不思議だよな、お姫様」
「わたしもそのときそう思ったよ、お姫様」
「侮辱するつもりなんかないさ、お姫様」


「だから夢の女ではないんだよ、お姫様」



……と、最初の数ページでは特に目立つreenex cps價錢



原文のkindle版サンプルをダウンロードして見ると、英文の流れの中にある「,princess,」は句読点とか息継ぎみたいな感じで全く気にならない(英語だから目が滑るだけ?)から、やっぱりリズムとか語感の好みの問題なんだろう。



もしかしたら「お姫様」と呼ぶのに、敬語じゃないことが日本語として落ち着かないのかな。でもこれは、どれだけアクセルがベアトリスを大切に思っているかということを表しているんだろうなあ。わたしはなんだか、最後までベアトリスが好きになれなかったけれど……。



まあ、そんな些細なわたしの好みなど気にせぬことだよ、お姫様。